私たちに身の回りには、空洞となっている材料でも強度を保っているものがあります。

野球の金属バットや物干し竿、コンクリート製電柱などが例としてあげられます。

中身がなくても十分な強さを保っている理由や、中身のある忠実材との違いなどを今回の記事では紹介していきます。

 

 

中空材・忠実材と荷重と応力の違い

前回の記事では、荷重や応力について取り扱いました。

せん断荷重、軸荷重とは?せん断力と軸力とはどう違う?違いを説明!

応力とは?垂直応力とせん断力の違いは?仮想断面で考えよ!

 

材料に軸荷重せん断荷重が働くと、荷重を受ける断面に一様な大きさの応力が生まれるのでした。

材料に曲げ荷重ねじり荷重が働くと、材料の表面に最も大きな応力が生まれ、材料の中央に近づくほど応力が小さくなっていくのでしたね。

つまり材料にかかる荷重がどんなものかわかっていれば、応力の少ない部分は材料として存在していなくても強度を保つことができるというわけです。

その結果、中空材などの材料が存在します。

では実際に中空でも保つ理由を、詳しく見ていきましょう。

 

 

中空材に強度がある理由は?

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画像出典:http://blog.doozer.jp/?eid=90

曲げ荷重やねじり荷重を受ける棒状の材料には、中央部分が空洞の角材やパイプなどが多く見られます。

このような材料を、中が空洞の材料ということで中空材と呼びます。

逆に、中身が詰まった材料を中実材と呼びます。

 

中空材は、空洞部分に発生する応力が小さいので、材料の表面近くで荷重のほとんどを受けるため、中実材とほぼ同じ強さを保つことができるのです。

応力とは材料の断面に働く応力のことでしたが、「応力が小さいところは空洞にしてしまおう」という考えのもと生まれた材料です。

 

他にも特殊な断面形状をもった材料がある

特殊な断面形状をもった材料は中空材だけではありません。

鉄道のレールや、建造物の鉄骨材などの断面形状は、I字形やH字形なものがあります。

これらの断面は、中空角材の2つの面が移動して作られたものとして、荷重やねじり荷重に対して中空材と同じ効果をもつと考えられます。

このような断面を持つ材料は、形材あるいは、異形材と呼ばれます。

 

その中でも骨材に使われる形鋼を見たことがある人が多いのではないでしょうか。

この形鋼に関してもう少し詳しく解説していきましょう。

 

 

H形鋼とはどんな材料?

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画像出典:http://www.alloy.co.jp/products/welding/h.php

この写真のような材料を見たことある人もいるのではないでしょうか。

このH形鋼は断面がH字形で、フランジ幅(両端の材料の長さ)が広く、フランジ内外面が平行な形鋼です。

用途は建築や橋の梁、船舶などの構造材用と、岸癖・建築物・高速道路などの基礎杭用に分けることができます。

 

I形鋼は機会や車両に使われている?

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画像出典:http://www.mizonishi.com/products/

2つ目にI形鋼について紹介しましょう。

断面がI形をしており、フランジの内側にテーパーという勾配があるものをI形鋼と言います。

勾配があるかないかでH形鋼と区別をしています。

用途は建築・橋梁・各種機械・車両などです。

 

 

山形鋼はどんな特徴がある?

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画像出典:https://www.indiamart.com/proddetail/ss-angle-12635001455.html

次に山形鋼です。

これは一見L字なので、「L形鋼ではないの?」という疑問が聞こえてきそうですが、上の画像のような置き方をすると山形であることから山方鋼と呼ばれています。

山形鋼の中にも、2辺の幅が等しい等辺山形鋼、幅が異なる不等辺山形鋼、また2辺が不等辺不等厚山形鋼などの種類があります。

材質は通常鋼の他にも、強度や体制を耐性とする構造材用には高張力鋼を使用します。

用途には鉄塔・建築・橋梁・船舶を始め、クレーンを支える梁、ブルドーザーやトラクターの台車の構造材などがあります。

 

 

溝形鋼はコの字断面の形鋼!?

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画像出典:http://www.mitsuboshi-kenzai.co.jp/products/keiryo_keiko.php

溝形鋼には、断面がコの字形の溝形で、フランジにはテーパーがついており、その先端に丸みのある突起をつけたものと、テーパーのない直角のものがあります。

テーパーなしの溝形鋼は、背中合わせにして組枠上にすれば、強度の高い柱や梁として使用することができるのが特徴です。

用途は船舶・車両・建築・機械などの広範囲にわたって使用されています。

 

 

まとめ

今回は断面の形が特殊の材料について紹介しました、

曲げ荷重やねじり荷重などは材料の表面付近に大きな力と応力がかかるのでした。

中立軸付近の応力は小さいため、その部分をくりぬいてしまったのがパイプなどの中空材でした。

 

また中空材の他にも断面形状が特殊なのが形材であり、そのいくつかを紹介しましたね。

これらは「このようなものがあるんだぁ〜」程度に今は覚えておきましょう。

 

今回の記事は以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。