今回は材料を変形させたり破壊させたりする現象についての記事となります。

たとえ小さな荷重であっても、材料に作用する時間が長い場合には、上のような現象を引き起こす可能性があります。

クリープ疲労について、今回は紹介していきましょう。

 

 

クリープとは?材料が変形する現象?

まず初めにクリープという現象について紹介をしていきます。

 

材料に静荷重を長時間与え続けた時、時間とともに材料の変形量が増加する現象をクリープと呼びます

クリープ現象は高温になればなるほど変化が著しくなります。

また、ある一定の時間が経過した後に一定の変形量を発生する応力をクリープ限度と呼びます。

クリープとは変形量の増加の現象ですが、材料はなるべく変形しないのが良いため、クリープはしない方が良い材料ということができます。

 

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画像出典:https://sumally.com/p/98148

ねり消しゴムを想像してみてください。

ねり消しは弱い引張荷重を小時間与えただけでも伸びて、すぐにちぎれてしまいます。

これの鉄鋼材料バージョンがクリープ現象と捉えると想像しやすいのではないでしょうか。

 

高温の環境下で、鉄鋼材料に長時間引張荷重を与えた場合、時間経過とともに以下のようなクリープの変化を観察することができます。

  • 第1次クリープ:初期の変形の後にのびの増加する度合いが小さくなる現象
  • 第2次クリープ:伸びの増加する度合いがほぼ一定になる。
  • 第3次クリープ:のびの増加する度合いが大きくなり、破断する

 

このようなクリープの特性を調べるための試験を、クリープ試験といいます。

その概要を下の図を再称しながら見ていきましょう。

(図)

(図)

 

 

クリープ試験の世界記録が存在する!?

クリープ試験については上で少し触れましたが、このクリープ試験には世界記録が存在します。

日本の独立法人物質・材料研究機構が1969年6月19日から開始して、2011年の3月14日に中止をした、およそ42年間に及ぶ記録です。

試験終了時の変形は、およそたったの5パーセントだったと発表されています。

それ以前の世界記録は、ドイツのジーメンス社の356,463時間でした。

 

 

疲労とはどんな現象?クリープとはどう違う?

クリープの次に疲労に関して解説をしていきましょう。

 

通常では問題とならないような繰り返し荷重を材料に長時間与えると、材料が弱くなる疲労という現象が起こります

疲労が溜まった状態でさらに繰り返し回数が増加をすると、破壊につながることがあります。

この疲労によって起こる破壊のことを、疲労破壊といいます。

 

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画像出典:http://metal-super.com/?p=7361

薄いアルミ板などを想像するとわかりやすいのではないでしょうか。

薄いアルミ板を一度折り曲げても折った痕がつきますが、アルミ板自体は一枚にくっついたままです。

これはアルミ板に疲労が溜まった状態ですが、まだ分裂はしていません。

しかしその折る作業を何度も行うと、とあるタイミングでアルミ板は折れて2つに分かれてしまいます。

この2つに分かれる現象が疲労破壊です。

 

繰り返し荷重が極めて小さな場合は、取れ回数を増加しても材料は破壊されません。

破壊に至らない応力の最大値を疲労限度と呼びます。

 

この疲労現象とクリープ現象との違いは、繰り返し荷重が長時間続くか、引張荷重が長時間続くかに違いがあります。

 

材料を取り扱う場合はクリープ限度や疲労限度について知っておく必要があります。

 

 

まとめ

今回は材料に起こる変形現象について紹介しました。

引張荷重を長時間与えることで起こるクリープ現象。

繰り返し荷重を長時間与えることで起こる疲労現象。

 

これらは与える荷重による違いがありますが、どちらも共通していることは長時間荷重を与えるという点です。

建築物は大抵長時間その形を保つことを想定しますから、その建築物に使う材料のクリープや疲労について知っておくことはとても重要なことです。

なぜなら建築は安全に利用できることが第一ですからね。

構造の分野に進む方は、これらの知識に詳しくなっておきましょう。

 

今回の記事は以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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