こんにちは!
今回は材料力学でもこれは知っておかないとほとんどの問題が解けなくなるという重要な内容を解説していきます。
逆にいえばこの記事の内容を知っておけば、ほとんどの問題に出てくる『応力』についてしっかりとアプローチできます。
過去の記事では材料に働く荷重について解説をしてきました。
材料力学では外力を荷重と呼ぶ!内力の仮想断面の考え方や作用・反作用の法則について
材料に働く力についての理解が終わったところで、次にそれが材料の断面積あたりでどれくらいの大きさかを考えていきます。
荷重がかかると材料に負担をかけますが、それが材料の場所によって負担の度合いが異なります。
また、例えば同じ強度を持つ材料であったとしても、断面積の大きい方がより大きな荷重に耐えることができます。
この力の大きさと断面積の関係を表すものが応力です。
この記事ではその応力について説明していきますので、しっかりと理解するようにしてくださいね。
それでは今回もよろしくお願いします!
応力とは?材料力学では断面積の考え方が重要!
では早速応力の説明に入っていきましょう。
材料に荷重が働くと、内部には荷重に抵抗するための内力が生まれます。
この内力は材料としてその形を保とうとするものです。
(図)
材料内部で内力は、内力の発生する仮想断面に均一に分散すると考えます。
そしてその仮想断面の中で、内力を、内力が分散している面積で割った値が応力です。
内力の大きさは荷重と等しいと考えられるため、一般的に荷重を断面積で割った値が応力とされています。
応力は荷重に対応する力と考えるとわかりやすいかもしれませんね。
材料に働く荷重が同じ場合でも、断面積が変われば応力は変化するということを理解しておきましょう。
応力の種類について解説!
では応力についての説明を終えたところで、次はその応力にはどんな種類があるのかをみていきましょう。
垂直応力について
まず初めに垂直応力についてです。
(図)
上は軸荷重によって荷重が働いている図です。
荷重の作用線と垂直に仮想断面を考えてみましょう。
(図)
この場合に発生する応力は、仮想断面とは垂直に働きます。
仮想断面と垂直発生する応力を垂直応力と呼び、記号ではσ(シグマ)で表します。
また、この垂直応力も軸荷重と区別をして、引っ張り荷重による引っ張り応力をσt、圧縮荷重による圧縮応力をσcと表すこともあります。
この垂直荷重も、求め方は 荷重/断面積 です。
せん断応力について
垂直応力の次はせん断応力です。
(図)
せん断荷重によって材料にこのように荷重が働いたとします。
荷重が上の図のように働き、荷重の作用線と平行な断面に応力が発生します。
このように荷重の作用線と成功に発生する応力をせん断応力と呼び、記号ではτ(タウ)で表します。
せん断応力も垂直応力同様、 荷重/断面積 でその大きさを求めます。
応力の単位はどうなる?
最後に応力の単位について確認して終わりにしましょう。
SI単位系では、力の単位にはN(ニュートン)、長さの単位にはm(メートル)を使います。
応力は荷重(力)/断面積(面積)ですので、応力の単位はN/㎡となります。
これは高校でも勉強して圧力と同じなので、Pa(パスカル)という単位でも表します。
材料力学では一般的に長さをmm(ミリメートル)で表します。
そのため1N/m㎡をPaの単位に換算すると、
1N/m㎡ = 1MPa(メガパスカル)
として扱っていきます。
この換算は間違いを生みやすいので、下で例題として確認しておきましょう。
1N / m㎡
= 1N / (1mm)(1mm)
= 1N×1000×1000 / (1mm)×1000×(1mm)×1000
= 1N×10³×10³ / 1m×1m
= 1×10⁶N / 1㎡ (10⁶=M)
= 1MPa
このような単位の計算は他にも出てきますので、単位の換算はしっかりとできるようになっておいてくださいね。
まとめ
今回は材料力学において非常に重要となる応力について取り扱いました。
応力とは
荷重/断面積
で求められるのでしたね。
この求め方は基本的にどの応力でも同じですので、しっかりを覚えておいてください。
また、応力には垂直応力とせん断応力などの種類がありました。
仮想断面の取り方によって変わってきますが、この2つの違いもしっかりと理解できたかと思います。
垂直応力とせん断応力では仮想断面と応力の向きに違いがありましたが、応力値の求め方はどちらも一緒ということでした。
また、応力が荷重/断面積ですので(力)/(面積)を取り扱う圧力と単位が一緒です。
応力も圧力同様、Paで表すことができるのでした。
Paの他にも、N/m㎡でも表すことができました。
最後に単位の換算について触れましたが、この計算もぜひ慣れておいてくださいね。
関連記事に簡単な応力計算の演習問題の記事が載っていますので、「実際に計算してみたい!!」という人はぜひ見てください。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。