下の記事では「材料力学では、外力のことを荷重と呼ぶ」ということに関してまとめました。
材料力学では外力を荷重と呼ぶ!内力の仮想断面の考え方や作用・反作用の法則について
荷重にはいくつかの種類があります。建築において、主に構造計算の基礎として使われる材料力学ですが、材料の変形を計算する必要があります。材料の変形を促す力が荷重でした。
荷重が材料をどのように変形させる効果をつかという点から、この記事では軸荷重とせん断荷重についてまとめていきます。
軸荷重と軸力の違いは?
大学で材料力学の授業を受けていると、「軸荷重」や「軸力」と入った単語に出会います。初めに軸荷重と軸力の違いについて解説します。
材料に作用する外力(荷重)が、主に材料を伸ばそうとする効果を持つ荷重が引張荷重、縮めようとする(圧縮する)効果を持つ荷重が圧縮荷重でした。
引張荷重と圧縮荷重のように力の作用線が、材料の軸線(中心線)方向に働く力を軸荷重と呼びます。そして力の作用線と垂直な仮想断面に生まれる内力を軸力と呼びます。
まとめると、軸荷重とは軸力方向に生じる”外力”のことであり、それに対して軸力とは軸力方向に生じる”内力”のことを指します。
せん断荷重とせん断力の違いは?
せん断荷重とせん断力の違いも、軸荷重と軸力の考え方と同様です。
材料の軸線(中心線)や軸面(側面)に互いに逆向きで平行な力を考えます。材料にズレを起こして切断をすることをせん断と呼びます。せん断に関する詳しいことについては以前の記事にまとめてありますので、気になる方はご覧ください。
せん断力について解説したところで、せん断荷重とはなんでしょうか?せん断荷重とは、せん断を作用するような荷重のこと、つまり材料にずれを与えるような外力のことを指します。軸荷重が外力、軸力が内力であったのと同様、せん断力はせん断荷重によって生まれる、荷重と平行な仮想断面に沿って両側に生まれる内力のことです。
身近なせん断荷重にはどんなものがある?例を紹介!
最後に身近な例を紹介します。軸荷重と軸力に関しては、中心線に沿った圧縮や引張なので綱引きやバネを縮める時などを想像すればわかりやすくなります。しかしせん断荷重にはどんなものがあるか、一見想像がしにくいものです。
以前の記事でも少し取り上げましたが、ここでせん断荷重をイメージするためにハサミの紙を切る原理についてもう一度考えてみましょう。
ハサミの刃は一見ナイフのように鋭く見えますが、実は平面的な作用を施します。そして紙を圧縮するのではなく、紙にせん断荷重を与えます。せん断荷重を与えることによって荷重と平行な断面にずれを起こし、材料をせん断するという仕組みです。これによって紙が二つに分かれます。
まとめ
今回の記事は軸荷重と軸力、それからせん断荷重とせん断力について書いてきました。
荷重とせん断力等の違いは外力か内力であるかでしたね。そしてせん断荷重はハサミでイメージをすると良いとのことでした。この記事の内容は今後の材料力学の学習の上でとても重要となってきます。
こちらの記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとございました。