この記事では鉄筋の種類と記号、それから鉄筋の応力ひずみ線図について紹介していきます。鉄筋にはいくつか種類があり、それらは記号で表されます。鉄筋の種類と、記号にはどのような意味があるのかについて解説します。

また、鉄筋の応力ひずみ線図は特徴的な曲線になります。これに関しても、構造力学を学んでいく上で非常に重要になりますので、この記事を読んで理解を深めていってください。それでは早速内容に入っていきましょう。

 

鉄筋の種類と記号について

image

鉄筋の種類について

まずはじめに鉄筋にはどのような種類があるかを紹介します。鉄筋の種類には、大きく分けて以下のようなものがあります。

  • 熱間圧延棒鋼
  • 熱間圧延異形棒鋼(異形鉄筋)
  • 再生棒鋼

それぞれがどんなものなのかを軽く説明していきましょう。

熱間圧延棒鋼

こちらは「ねっかんあつえんぼうこう」と読みます。”熱間”とは高温加工法の一つです。柱のような長い物を生産するときに利用する加工法です。また、”圧延”はこちらもまた加工法の一つであり、金属を加工するときのものです。2つ以上のローラーに材料を通して圧縮するによって、板や棒状のものを作ります。

熱間圧延棒鋼は熱間加工と圧延加工を施した鉄筋です。熱間圧延棒鋼の中にはSR235やSR295といった多くの種類があります。これらの鉄筋の記号の読み方については、記事の下で紹介します。




熱間圧延異形棒鋼(異形鉄筋)

次に熱間圧延異形棒鋼(異形鉄筋)についてです。こちらは一般的に「異形鉄筋」と呼ばれるもので、鉄筋とコンクリートの付着力を高めるために鉄筋に特別な加工を施したものです。異形鉄筋は下の図のようなものを指します。

image

画像出典:http://www.asahi-kg.co.jp/steel/detail/1

異形鉄筋とコンクリートの付着(鉄筋とコンクリートの一体化)については以前まとめた記事がありますので、そちらを参照してください。

異形鉄筋の付着と局部圧縮破壊・せん断破壊・割裂破壊について

熱間圧延異形棒鋼(異形鉄筋)には、SD295AやSD375といった種類があります。

 

再生棒鋼

最後に再生棒鋼についてです。再生棒鋼は、製造途上で生じた端材を、もう一度圧延加工をして作成した棒鋼です。加工したものにもう一度加工をかけて作っているので、物理的な性質としては熱間圧延棒鋼や熱間圧延異形棒鋼には劣ってしまうので、構造的に使用することはほとんどありません。

再生棒鋼にはSRR235といったものがあります。

 

鉄筋の記号について

次に鉄筋の記号について紹介します。鉄筋の記号の意味を理解することができると、その鉄筋が持つ性質やどのような加工を施されてできているかがわかるようになります。鉄筋の種類には以下のようなものがありました。

  • 熱間圧延棒鋼:SR235・SR295・…
  • 熱間圧延異形棒鋼(異形鉄筋):SD295A・SD375・…
  • 再生棒鋼:SRR235・…

どの鉄筋にも共通してある記号の”S”は、鉄を表す”Steel”のSです。また、

SRRound Bar「丸鋼」

SDDeformed「変形した」

SRRRerolled「再生した」

といった意味があります。それぞれの記号内にある数字は、鉄筋の降伏点の数値を表しています。これらの知識があると、鉄筋の記号だけである程度その鉄筋の性質や加工方法がわかるようになりますので、ぜひ覚えておいてください。




 

鉄筋の応力ひずみ線図(σ-ε)について

最後に鉄筋の応力ひずみ線図を紹介します。鉄筋の応力ひずみ線図は下のグラフのような形になります。

sense

このような一見複雑な応力ひずみ線図になります。それぞれの点について解説をしましょう。

A:降伏点(上降伏点)

B:下降伏点

C:最大強度(引張強さor極限強さ)

D:破断点

鉄筋の記号で使われる数値は、上の応力ひずみ線図のAの数値を使用しています。鉄筋はこのような面白い形の応力とひずみの関係があることも合わせて覚えておきましょう。鉄筋の応力ひずみ線図についてさらに知りたい方は、下の記事をご覧ください。

ひずみとは?鉄鋼の応力ひずみ線図はどんなグラフか解説!

 

まとめ

今回の記事では鉄筋の種類と記号、それから鉄筋の性質を表す応力ひずみ線図について紹介しました。今回の記事は鉄筋という材料を知る上で欠かせない知識を紹介しています。また、この知識は構造計算をする上でも必要になるものですから、ぜひ何度か読み返して完璧に理解してくださいね。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。