この記事ではコンクリートのクリープとデービスグランビル(Davis Glamville)の法則・ウィットニー(Whitney)の法則について紹介していきます。クリープとはどんな現象なのか、コンクリートに発生するクリープにはどんな特徴があるか、それからクリープにおける法則であるデービスグランビルの法則とウィットニーの法則について紹介していきます。

それでは早速内容に入っていきましょう。

 

クリープとは?

まずはじめにクリープとはどんな現象なのかについて説明します。

クリープとは、材料に静荷重を長時間与え続けた結果、時間とともに材料の変形量が増加する現象のことです変形量が増加してしまう現象ですので、クリープは破壊現象の一つです。クリープによって発生するひずみをクリープひずみと呼び、クリープが発生しない荷重の最大値をクリープ限度と言います。

似たような破壊現象に疲労があります。疲労現象は通常では考慮しなくても良いような弱い繰り返し荷重が材料に何度も作用することによって、材料が弱くなる現象です。鉄板を何度も山折谷折りを繰り返すとちぎれてしまうのが疲労現象にあたります。

クリープと疲労現象については以前にまとめた記事がありますので、気になる方はそちらをご覧ください。

クリープとは?疲労現象とどう違う?材料の変形について解説!




 

コンクリートに発生するクリープにはどんな特徴がある?

クリープがどんな現象かを説明したところで、次にコンクリートに発生するクリープにはどんな特徴があるかについて紹介していきます。

コンクリートは圧縮に強い材料ですが、コンクリートのクリープ限度は、コンクリート強度の約75%~85%とされています。また、コンクリートに発生するクリープに影響するものには下のようなものがあります。

  • 載荷期間中の大気湿度が低いほどクリープひずみは大きい。これは、コンクリートが乾燥するとクリープが助長されることを意味する。
  • 部材寸法が小さいほどコンクリートが乾燥しやすいため、クリープひずみが大きくなる。
  • セメントペースト量が多いほどクリープひずみは大きい。
  • 水セメント比が大きいほどクリープひずみは大きい。
  • 組織が密実でない骨材を用いたり、粒度が不適当で空隙が多いコンクリートはクリープひずみが大きい。
  • 載荷応力が大きいほどクリープひずみは大きい。
  • 載荷時材齢が若いほどクリープひずみは大きい。

http://www.jci-net.or.jp/j/public/kiso/DeformationProperty.htmlより引用

コンクリートを構成する材料(セメントペースト等)や、水セメント比の重要ポイントについては下の記事にまとめてありますので、そちらをご覧ください。

コンクリートの構成材料とその役割・水セメント比まとめ




 

デービスグランビルの法則とウィットニーの法則について

次にコンクリートに発生するクリープにおける法則をデービスグランビル(Davis Glamville)の法則とウィットニー(Whitney)の法則を紹介します。最初はデービスグランビル(Davis Glamville)の法則からです。

 

デービスグランビル(Davis Glamville)の法則

下の図をご覧ください。

image

この図を見るとわかると思いますが、デービスグランビルの法則は、クリープひずみがある一定の値を超えると、最終的にはクリープ破壊をもたらすというものです。クリープひずみが一定の値を超えない場合は、材料のクリープひずみは増大せず、一定の値に収束します。

 

ウィットニー(Whitney)の法則

次にウィットニーの法則です。下の図をご覧ください。

image

t=t0から載荷された荷重に対するクリープの進行の曲線は、ε1だけ下に平行移動するとt=t1から始まるグラフと一致します。これは、t=t1から載荷されたクリープの進行は、t0から載荷されたものの(t1-t0)秒後と等しいということになります。言い換えれば、同じ荷重の場合は、クリープは荷重が発生したところから発生し始めるということです。

 

まとめ

今回はクリープとはどんなものなのか、またコンクリートに発生するクリープの特徴とデービスグランビルの法則・ウィットニーの法則についてまとめました。コンクリートについて勉強している方にとっては重要な内容ばかりなので、ぜひ復習をして理解を深めてくださいね。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。