この記事ではコンクリートの応力ひずみ曲線についてまとめていきます。
コンクリートの応力ひずみ線図には、いくつか特徴がありますので、その説明を加えながら解説していきましょう。
コンクリートの応力ひずみ線図(σ-ε)
コンクリートの応力ひずみ線図は下の図です。
コンクリートは始めはひずみが増えるごとに応力も増えていますが、ある点を超えたところで崩壊し始め、曲線が山のようになっているのが特徴です。コンクリートはひずみに弱く、コンクリートに発生するひっぱり作用は鉄筋コンクリートにおける鉄筋が負担しますので、この図はコンクリートに発生する圧縮応力のみを図として表しています。ここで、ボンドクラックとモルタルクラックという用語が出てきているので、そちらを紹介しましょう。
ボンドクラック・モルタルクラックとは
ボンドクラックとは、粗骨材とモルタルの剥離のことです。圧縮に強いコンクリートも、圧縮荷重が増えてひずみが増加して行くと、あるところでボンドクラックが発生します。
次にモルタルクラックについてです。モルタルクラックはモルタルが剥離し、コンクリートがひび割れてしまうことです。
ボンドクラック・モルタルクラック共にコンクリートにひび割れを起こす原因となるものです。対策はいくつかありますが、次今回は割愛します。
コンクリートの応力ひずみ曲線のεB・εu・εTについて
上のコンクリートの応力ひずみ曲線にあるεB・εu・εTについてそれぞれを解説していきます。
最初にεBからです。εBはボンドクラックが発生するときのひずみの値です。この点に名前はありませんが、ボンドクラック(Bondclack)のBからεBと表します。
次にεuについてです。εuは応力が最大値を取るときのひずみの値です。最大値の意味を表すUltimateの頭文字のuをとってεuと表します。εuは大抵0.2~0.3の間の値をとります。
最後に応力ひずみ曲線のひずみのマイナス側にあるにεTついてです。一般にひずみがマイナスを取るときは、材料に引張が作用しているときです。そのとき応力もマイナスの値をとりますが、応力の最小値を取るときのひずみの値がεTです。Tは引張の意味のTensionからきています。εTの絶対値はεuの1/10ほどです。ここからコンクリートは極端に圧縮に強くて引張に弱い素材だということがわかります。
コンクリートの応力ひずみ曲線のσB・σu・σTについて
最後に図の応力の値について解説をします。σBはボンドクラックが発生するときの応力の値です。
σu・σTはそれぞれコンクリートの応力の最大値・最小値です。図からも分かる通り、コンクリートは圧縮応力の最大値は大きいですが引張応力の最小値の絶対値はとても小さいのが特徴です。ここからもコンクリートが圧縮に強く引張に弱いことがわかります。コンクリートはこれと逆の性質を持った鉄筋と相性が非常に良いので、鉄筋コンクリートで構造材として使われることが非常に多いです。
まとめ
この記事ではコンクリートの応力ひずみ曲線とその性質を紹介しました。コンクリートの圧縮に強く引張に弱いという性質は今回紹介した曲線からみてもわかります。構造力学を学ぶ際にコンクリートの性質を知っておくことは非常に重要なので、ぜひ今回の記事の内容は覚えておくようにしてくださいね。
今回の記事は以上になります。最後まで読んていだだきありがとうございました。