この記事ではランキン・ユゴニオの式について書いていきましょう。

ランキン・ユゴニオの式は、座屈現象について調べるために使われる関係式です。座屈現象について、座屈荷重と座屈応力を調べるための公式としては、オイラーの理論式がありましたね。オイラーの理論式について以前まとめた記事がありますので、そちらを参照ください。

座屈とオイラーの式について!座屈応力と座屈荷重の計算方法

 

オイラーの理論式は、座屈現象の発生しやすい細長い長柱の座屈荷重と座屈応力を求めるために使われるものでした。この記事で紹介するランキン・ユゴニオの式は、短くもなければ長柱でもない、やや細長い中間柱の座屈を取り扱うための実験式の一つです。

上のオイラーの理論式についてまとめた記事では、「座屈現象は細長い長柱においてオイラーの理論式は適用できる」と抽象的に書きましたが、柱がどれだけ細長いかは柱の細長比で決定します。そして、細長比の値によって、柱の座屈計算でオイラーの理論式を使うかランキン・ユゴニオの式の式を使うかは変わってきます。

この記事では、柱の細長比によってどちらの式を使うか、またランキン・ユゴニオの式についてを紹介していきましょう。

 

柱の細長比と端末条件について

単に細長い長柱といっても、どれが長柱なのかそうでないのかわかりません。そこで、この抽象的な表現を数値化したものが柱の細長比です。また柱の長短は、細長比λと端末係数nによって決定されます。まず最初に細長比λと端末係数について紹介していきましょう。

 

細長比λの求め方

はじめに細長比λの求め方です。細長比は以下の公式から求めることができます。

細長比の公式

λ = l / k

(λ:細長比、l:柱の長さ[mm]、k:断面二次半径[mm])

こちらが細長比の求め方です。細長比は『比』ですので、単位はありません。断面二次半径とは、断面二次モーメントIを断面積で割った値の平方根をとったもの(=√(I/A))です。これを用いることで、細長比を求めることができます。

 

端末係数nの求め方

次に端末係数nの求め方についてです。端末係数とは、柱の座屈に影響する柱の支持方法を係数として取扱い、座屈荷重や座屈応力を求めるために使われます。柱が固定されているのか、回転できるのかによって柱の座屈現象に変化が生じます。そこで、柱の支持方法を係数として値にして、座屈荷重や座屈応力の計算をする際に使用します。

代表的な端末支持条件と端末係数を見ていきましょう。

端末支持条件 image image image image
端末係数n 0.25 4 2.046 1

代表的な端末支持条件とその端末係数は覚えてしまったほうが圧倒的に計算が早いので、暗記をしてしまいましょう。端末係数については、実際に公式の中でどのように使われるかを見て理解していきましょう。




 

座屈計算でオイラーの理論式とランキン・ユゴニオの式はどっちを使う?

では座屈計算でオイラーの理論式とランキン・ユゴニオの式のどっちを使うかについて説明をしていきます。柱に使われる代表的な材料と、どちらの式で座屈計算をするかを書いていきます。

ランキン・ユゴニオの式 オイラーの理論式
鋳鉄 λ<80√n λ>80√n
軟鋼 λ<90√n λ>90√n
硬鋼 λ<85√n λ>85√n
木材 λ<60√n λ>60√n

例えば、鋳鉄を用いた座屈計算をするときに、細長比λと端末係数を計算して、λ<80√nの関係になっていた場合は、座屈荷重と座屈応力の計算はランキン・ユゴニオの式を使います。ランキン・ユゴニオの式の式を使う場合、柱は中間柱として扱います。

逆に、λ<80√nの関係になっていない(∴λ>80√n)の場合は、オイラーの理論式を用いて座屈荷重や座屈応力を計算しましょう。オイラーの理論式を使って座屈計算をするときは、柱は細長い長柱として取り扱うこともセットで覚えておきましょう。




 

ランキン・ユゴニオの式の公式について

では、ランキン・ユゴニオの式の公式を紹介していきましょう。ランキン・ユゴニオの式はオイラーの理論式と同様、座屈荷重と座屈応力を求めるための式ですので、形はオイラーの理論式を似ています。ランキン・ユゴニオの式とオイラーの理論式はセットで考えると理解がしやすいと思います。

ランキン・ユゴニオの式の座屈荷重の計算式

P = σ0A / {1 + a/n × (l/k)²} = σ0A / {1 + a/n × λ²}

(P:座屈荷重[N]、σ0:材料によって決まる応力[MPa]、A:断面積[mm²]、a:座量によって決まる実験的定数、n、端末係数、l:柱の長さ[mm]、k:最小断面二次半径[mm]、λ:細長比)

 

さて、ここでいくつか普段は見かけない物理量がいくつか登場しているので、それらについえ解説をします。上の公式のσ0aについてです。

σ0は材料によって決まる応力、aは材料によって決まる実験的係数です。これらは計算をしてだす値ではなく、材料によって元から決まっています。そのため、暗記をしておく必要があります。柱に使われる代表的な材料のこれらの値を表としてまとめておきましょう。

鋳鉄 軟鋼 硬鋼 木材
σ0[MPa] 549 333 480 49
a 1/1,600 1/7,500 1/5,000 1/750

実際にランキン・ユゴニオの式で座屈荷重を計算するときは、この表を見ながら計算すると良いでしょう。計算していくうちに値についても覚えると思います。

 

次にランキン・ユゴニオの式で座屈応力を計算するときの公式を紹介します。

ランキン・ユゴニオの式の座屈応力の計算式

σ = P/A = σ0 / {1 + a/n × (l/k)²} = σ0 / {1 + a/n × λ²}

(σ:座屈応力[N])

ランキン・ユゴニオの式の座屈応力の計算式は座屈荷重の計算式と非常に似ています。

応力は荷重を断面積で割ったものですので、座屈荷重の公式を断面積で割ったものがそのまま座屈荷重の計算式となっています。座屈荷重の計算式から断面積で割ったものが座屈応力の計算式と覚えると理解しやすいのではないでしょうか




 

まとめ

今回は柱が長柱か中間柱のどちらであるかの決定と、ランキン・ユゴニオの式について紹介しました。座屈計算については、オイラーの理論式とランキン・ユゴニオの式はセットで覚えましょう。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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