この記事では、ねじれ応力・ねじれ角・せん断角などの軸の変形の計算演習例題を扱っていきます。

演習問題を重ねながら、ねじれ応力・ねじれ角・せん断角などの軸の変形の計算に慣れていきましょう。

それでは早速問題を見ていきましょう。

 

 

演習問題1:ねじり応力の計算例題

ねじり荷重を受ける丸棒に、0.001のせん断ひずみが生じている。

この時、ねじり応力を求めなさい。

横弾性係数を80[GPa]とします。

 

 

解答例

では解答を見ていきます。

この問題は簡単なので、暗記していく勢いでやっていきましょう。

横弾性係数の公式は以下のようなものでした。

横弾性係数の公式

G = τ / γ

(G:横弾性係数、τ:ねじり応力(せん断応力)、γ:せん断ひずみ)

 

弾性係数=応力/ひずみの関係を覚えておくと、この公式も暗記しやすくなるのではないでしょうか。

この公式にそれぞれの値を代入して、ねじり応力を求めていきます。

G = τ / γ

ねじり応力τ = Gγ = 80×10³ × 0.001 = 80[MPa]

 

答え

ねじり応力:80[MPa]




 

 

演習問題2:せん断ひずみとねじり角の計算例題

長さ1[m]、直径30[mm]の丸棒に、40[MPa]のねじり応力が生じている。

せん断ひずみとねじれ角を求めなさい。

横弾性係数を80[GPa]とします。

 

 

解答例

では解答例を見ていきます。

こちらも基本的に公式に当てはめて計算するだけなので、公式を覚えてしまっている人には簡単な問題かもしれません。

演習問題1でも紹介したように、横弾性係数の公式は以下のようなものでしたね。

横弾性係数の公式

G = τ / γ

(G:横弾性係数、τ:ねじり応力(せん断応力)、γ:せん断ひずみ)

まずはこの公式に当てはめて、せん断ひずみを求めていきましょう。

 

G = τ / γ

せん断ひずみγ = τ / G = 40 / 80×10³ = 5 × 10^(-4)

 

次にねじれ角を求めていきます。

ねじれ角は以下の公式から得られました。

せん断力γの公式

γ = rθ/l

(γ:せん断ひずみ、r:半径、θ:ねじれ角、l:丸棒の長さ)

この公式を変形して、ねじれ角を求める式にします。

γ = rθ/l

ねじれ角θ = rγ / l

ここで、rは半径であることに注意して、値を代入して計算していきます。

また、単位は[mm]に合わせて計算するので、丸棒の長さは1,000[mm]として代入します。

ねじれ角θ = rγ / l = 1,000 × 5×10^(-4) / (30/2) = 0.033[rad]

 

これらの計算結果をまとめて答えを出していきましょう。

 

答え

せん断ひずみ:5 × 10^(-4)

ねじり応力:0.033[rad]

角度の単位の変換

image

角度の単位の変換について補足をしておきましょう。

円の中心角360[°]は、360[°]=2π[rad]

つまり、180[°]=π[rad]です。

1[°]=π/180なので、x[°]の時の[rad]は以下のようになります。

θ = x × π/180 [rad]




 

 

演習問題3:直径を求める計算例題

ねじり荷重を受ける長さ1[m]の丸棒で、最大ねじれ角2[°]、許容ねじり応力60[MPa]としたい。

このとき、必要な直径を求めなさい。

横弾性係数を80[GPa]とします。

 

 

 

解答例

では解答を見ていきます。

この演習問題3は、少しばかり応用問題となっています。

 

演習問題1と演習問題2で扱った公式を合わせて答えを求めていきます。

G = τ / γ (G:横弾性係数、τ:ねじり応力(せん断応力)、γ:せん断ひずみ)

γ = rθ / l = dθ / 2l (γ:せん断ひずみ、r:半径、θ:ねじれ角、l:丸棒の長さ、d:直径)

dθ / 2l = τ / G → d = 2l/θ × τ/G

 

最大ねじれ角の2[°]を[rad]に変換します。

θ = 2 × π/180

これらの数値を代入して、答えを求めていきましょう。

 

d = (180 × 2 × l)/2π × τ/G = (180 × 2 × 1,000 × 60) / (2 × π × 80 × 10³)

= 43.0[mm]

 

答え

直径:43.0[mm]




 

 

演習問題4:

直径40[mm]の軸がねじられて、ねじれ角1.5[°]、ねじり応力35[MPa]が発生した。

軸の長さとせん断角を求めなさい。

横弾性係数を80[MPa]とする。

 

 

解答例

では解答を見ていきます。

τ = Gγ = G × rθ/l = Gdθ/2l

よって、l = Gdθ/2τ

1.5[°]を[rad]に変換します。

θ = 1.5 × π/180

 

軸の長さl = Gdθ/2τ = (80×10³ × 40 × 1.5 × π) / (2 × 35 × 180) = 1,197[mm]

せん断角φ = γ = rθ/l = dθ/2l = (40 × 1.5 × π) / (2 × 1,197 × 180)  = 4.4×10^(-4)

これらをまとめて答えとしていきます。

 

答え

軸の長さl = 1,197[mm]

せん断角φ = 4.4×10^(-4)

 

 

まとめ

今回はねじり応力・ねじれ角・せん断角などの変形に関する問題を紹介しました。

この記事で取り上げた問題に関しては、公式を覚えていれば解ける問題が多かったのではないでしょうか。

ぜひ復習を何度もして、理解を深めていってくださいね。

 

今回の記事は以上になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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