この記事ではせん断ひずみに関して取り扱っていきましょう。

この記事を読むとせん断ひずみとはどんな概念なのか、せん断ひずみの単位はどうなるのかがわかります。

ぜひ参考にして、今後の勉強に役立ててください。

 

 

せん断ひずみとは?

まず初めにせん断ひずみとはどんなものなのかについて紹介していきましょう。

下の図をご覧ください。

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(φ:せん断角[rad], θ:ねじれ角[rad], d:直径[mm], r:半径[mm], r:半径[mm], l:長さ[mm], F:外力[N], L:腕の長さ)

この図のように、軸の一端の円周上に点Aを含む面を固定して、点Oを中心として点Bを含む他端にねじりモーメントを作用させます。

軸の母線ABがAB’に変化したとき、∠BAB’をせん断角φと呼び、∠BOB’をねじれ角θと呼びます。




 

 

さて、せん断角とねじれ角について説明が終わったところで、せん断ひずみの概念について説明していきましょう。

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この図のように軸の母線ABと母線CDでできる長方形ABCDが、ねじりによって、平行四辺形AB’D’Cに変形すると考えます。

この場合、距離lに対してBB’または、DD’のズレが生じたことになります。

ずれの生じる変形はせん断なので、軸にはせん断ひずみγが発生します。

変形量は微小なので、せん断ひずみγは、せん断角φと等しいと考えることができます。

 

以上をまとめると、せん断ひずみγの公式は以下のようになります。

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せん断力γの公式

γ = BB’/AB = rθ/l = tanφ ≒ φ

(γ:せん断ひずみ、r:半径、θ:ねじれ角、l:ABの長さ、φ:ねじれ角)

 

せん断角φとねじれ角θは微小なので、円弧の長さrθは直線BB’と等しいと考えることができます。

また、φが微小の時、tanφ≒φとなります。

よって最終的には、せん断ひずみγ=φという式が成り立ちます。




 

 

ねじり応力とは?

次にねじり応力の説明をしていきましょう。

応力といえば、材料が変形しないように発生する材料内部の抵抗力のことでしたね。

ねじり応力についてざっくりと説明すると、”ねじり”応力なので、材料がねじれないように発生する応力のことです。

このイメージをもった上で、早速ねじり応力について説明していきましょう。

 

軸にせん断ひずみγが生じると、軸の内部にはせん断応力τが発生します。

このせん断応力のことをねじり応力と言います。

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ねじり応力の大きさは、固定端からの長さlを限定すると、同一断面内で、半径rに比例して、丸棒の表皮で最大値をとります。

公式としてまとめると、以下のようになります。

ねじり応力τの公式

τ = Gγ = G × rθ/l = Gφ

(τ:ねじり応力、G:横弾性係数、γ:せん断ひずみ、r:半径、l:丸棒の長さ)

 

ねじり応力は、材料の表皮で最大値を取ることを覚えておいてください。




 

 

まとめ

今回はせん断ひずみに関して説明してきました。

せん断ひずみとは簡単にいえば、せん断力で発生した変形量のことです。

このことをイメージした上で何度か復習をしていけば問題なく理解できるのではないでしょうか。

 

また、ねじり応力についても説明しました。

ねじり応力とは、材料にねじりモーメントが発生するときに材料内部に発生する抵抗力のようなものです。

せん断ひずみが発生することでせん断応力が発生しますが、このせん断応力のことをねじり応力と呼ぶのでしたね。

ねじり応力は材料の表皮で最大値を取ることを覚えておいてください。

 

今回の記事は以上になります。

在五まで読んでいただき、ありがとうございました。

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