今回の記事はヤング率を用い変形量の求め方などの演習問題を紹介していきます。
ヤング率(縦弾性係数)とは、応力とひずみの割合で求められるもので、材料の強度をあらわす尺度でした。
(E:ヤング率[GPaまたはMPa]、σ:垂直応力[MPa]、ε:縦ひずみ)
この公式を頭に入れた上で問題を解いていきましょう。
ヤング率がどのような計算過程で求めることができるのかを解説した記事があるので、ヤング率がそもそもどのようなものであるかわからない方は、下のリンクから理解をした上で演習問題を解いていきましょう。
では早速問題をみていきましょう。
ヤング率・変形量の計算問題
演習問題1-1
60MPaの引張応力が発生している材料のひずみが0.0003のとき、この材料のヤング率(縦弾性係数)を求めなさい。
解答例1-1
ひずみの指数を10の指数(SI接頭辞)で単位を合わせます。
ヤング率E = σ / ε
= 60 / 0.0003
= 60 / (3×10^(-4))
= 20 / (10^(-4))
= 20 × 10⁴[MPa]
= 20 × 10 × 10³[MPa]
10³はSI接頭辞で表すと[M]なので
20 × 10 × 10³[MPa] = 20 × 10 [K × MPa]
= 200[GPa]
答え:200[GPa]
演習問題1-2
圧縮応力の発生している材料のひずみが0.00025であった。
ヤング率(縦弾性係数)が 200[GPa]であったとき、この材料に発生している圧縮応力を求めなさい。
解答例1-2
ヤング率の公式を変形して、応力を求める式にする。
E = σ / ε
σ = Eε
変形した式にそれぞれを代入する。
σ = Eε
= 200 × 0.00025
= 0.05[GPa] [G]は10⁶、[M]は10³なので、
0.05[GPa] = 0.05 × 10³[MPa]
= 50[MPa]
答え:50[MPa]
演習問題2
直径20[mm]、長さ1[m]、ヤング率(縦弾性係数)206[GPa]の丸棒に20[kN]の引張荷重を与えた。変形量と縦ひずみを求めなさい。
解答例
ヤング率(縦弾性係数)の公式を変形して使います。
E = σ /ε
σ = P / A
ε = λ / l
→ E = Pl / Aλ(P:荷重、l:材料の元の長さ、A:断面積、λ:変形量)
また、長さの単位を統一します。
今回は[mm]に合わせましょう。
まず初めに変形量λから求めていきます。
E = Pl / Aλを変形して、λ = Pl / AE
λ = Pl / AE
= 4Pl / πd²E
= {4 × (20 × 10³) × (1 × 10³)} / {π × 20² × (106 × 10³)}
= 0.309[mm]
上で求めた変形量を元の長さで割ってひずみεを求める。
ε = λ / l
= 0.309 / 1 × 10³
= 3.09 × 10^(-4)
答え 変形量:0.309[mm]
ひずみ:0.309 × 10^(-4)または0.0309[%]
まとめ
今回はヤング率と変形量を求める演習問題を紹介しました。
ヤング率というものは材料ごとに求められている数値ですので、材料にかかった荷重がわかることで変形量を求めることができます。
これを使って、構造物の材料がどれだけ変形するかを求めることができます。
このように実際の構造計算がどのように使われるのかをイメージしながら計算方法を理解していきたいところですね。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。