この記事ではコンクリートのリサイクルについてまとめていきます。

コンクリートのリサイクルの方法とその現状、またリサイクル率がどれくらいであるかを説明しています。コンクリートの再使用(リサイクル)は、これからの省エネルギー社会の実現に向けて、大きく課題が残っていると言うことができます。多くの構造物はコンクリートなしでは建てることができないほどコンクリートの役割は現社会で重要ですが、それが今後どのようになっていくのかを解説します。それでは内容に入っていきましょう。

 

コンクリートのリサイクルの方法

まずはじめにコンクリートのリサイクル方法について紹介していきます。

コンクリートのリサイクルは、建築物に使用した廃棄コンクリートを再生し、建築土木用の資材として使用するものです。コンクリートをリサイクルするためには、はじめの建築物を建てる際に再生コンクリートを使わなければなりません。

具体的なコンクリートのリサイクル方法については、まず廃コンクリート塊から骨材に付着しているペーストを綺麗に引き剥がします。コンクリート塊から原骨材を取り出す方式には、以下のようなものがあります。

  • 機械すりもみ方式
  • 加熱すりもみ方式
  • スクリュー磨砕方式

これらを解説していきましょう。

機械すりもみ方式について

機械すりもみ方式は、機械によってコンクリート塊を骨材とセメントを分解するものです。機械が偏心回転(重心と回転軸が離れている回転)し、内側の筒部分と外側部分の間で生じるすりもみ作用を利用してコンクリート塊を分解します。

加熱すりもみ方式

次に加熱すりもみ方式です。加熱すりもみ方式は、廃コンクリート材を加熱して付着している硬化セメント部分を脆弱化させます。そのあと骨材をすりもみすることでコンクリート塊から骨材とセメントを引き剥がします。

スクリュー磨砕方式

スクリュー磨砕は機械内の中間部と、排出部分にコーンと呼ばれる分離された骨材を区分けされる円形上のものをつけたイチジクのスクリューによって、骨材同士を摩擦させて骨材表面に付着しているセメントを引き剥がす方式です。

 

上記で解説をしたような方式によってコンクリート塊から骨材部分を取り出し、それらをもう一度コンクリートの原料として使うことでコンクリートのリサイクルが実現します。しかし現状では、一定以上の品質が求められる構造物において、再生コンクリートはほとんど使われていません。そのため、再生コンクリートの使用は、今後の省エネルギー社会の実現を目指す上で多いな課題としていまだに残ってしまっています。




 

コンクリートのリサイクル率について

次にコンクリートのリサイクル率について説明します。

現在のコンクリートリサイクル率は90[%]以上を超えており、非常に高い数値を実現しています。日本では年間で約4000万トンもの廃コンクリートが排出されていますが、その発生量はこれからも増え続けると予測されています。2050年では現在の2~3倍もの廃コンクリートが排出されていることが予測されていて、その時にピークを迎えるのではないかと懸念されています。そのため、今後のコンクリートのリサイクルは非常に期待されている分野でもあります。

 

廃コンクリートリサイクルの現状

最後にコンクリートのリサイクルの現状と、将来の課題について解説をします。

建築物の梁や柱などの構造上重要な役割を担う部材でも、再生コンクリートや再生骨材を使用したコンクリートを使用することが求められています。しかし再生コンクリートがJIS規格化されたのが2005年ほどで、まだあまり日が経っていないこともあり、再生コンクリートへの開発の余地は大きく残されています。また、再生骨材コンクリートを建築構造部材に適用する場合には、安全上の視点から建築基準法第37条に基づいた国土交通大臣の認定が必要である点などを考慮すると、製造の手間やコストの観点からコンクリートのリサイクル・再利用はまだまだ改善余地があると言えるでしょう。

 

まとめ

この記事ではコンクリートのリサイクルについて言及しました。

コンクリートのリサイクルは、まず廃コンクリート塊を骨材とセメントに分ける必要があります。その方法としては、『機械すりもみ方式』『加熱すりもみ方式』『スクリュー磨砕方式』などがあり、それらがどのような方法でコンクリートの骨材とセメントへの分離をするかを紹介しました。

また、現在のコンクリートリサイクル率は高い数字を出しており、それは90[%]にも登るのでした。しかしコンクリートのリサイクルには開発・改善の余地が大きく残されており、それらはこれからの課題であるのでした。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。