この記事では鉄筋コンクリートの原理について紹介していきます。鉄筋コンクリートとは、現代の建築の構造材として欠かせないものです。鉄筋コンクリートに関しての幅広い知識は、一級建築士の試験などでもよく問われますので、この記事はしっかりと理解しておきましょう。
では早速内容に入っていきます。
目次
コンクリートの材料は?作り方や成分について
コンクリートの成分について
鉄筋コンクリートの説明にはいる前に、最初にコンクリートという材料に焦点を当てて説明します。コンクリートの成分は以下の通りです。
水 + ポルトランドセメント + 細骨材 + 粗骨材
これは覚えておきましょう。ポルトランドセメントなど、少々専門的な材料名が出てきましたので、それぞれについてさらっと触れておきましょう。
ポルトランドセメントについて
ポルトランドセメントは、セメントの一種です。現代で最も代表的なセメントであり、一般的にセメントといった場合はポルトランドセメントを指します。
主成分はシリカ・アルミナ・酸化鉄(石灰)を含んでいます。
細骨材・粗骨材について
次に細骨材についてです。
まずはじめに骨材は細骨材と粗骨材に分けられます。これは、粒の大きさによって分類されます。定義的には5mmのふるいにかけて、粒が通ったものが細骨材、通らないものが粗骨材です。
コンクリートの原料に必要とされる性質として、硬くて強固であることが挙げられます。次に重量が適度であることや、物理的に安定で耐久性が大きいことなどが必要です。それらの必要とされる性質を満たしているのがこれらの骨材です。
水セメント比とは?
コンクリートの勉強をしていると、「水セメント比」という単語が出てくると思います。水セメント比も重要な事柄ですので、ここで軽く紹介しておきます。
水セメント比は、公式では以下のようになります。
W / C
(W:水量、C:セメント量)
水セメント比とは、コンクリートを作る際のセメントに対する水の割合を指します。水の量によって、コンクリートは強度が変わってくるのです。一般的に、水セメント比が大きい(水が多い)ほど、コンクリートの圧縮強度は低くなります。
さて、用語の説明が終わったところで、コンクリートの説明に戻りましょう。
コンクリートの歴史について
次にコンクリートの歴史と使用されている分野の説明をしていきます。
産業革命の後半である1824年に、アスプディンポルトランドセメントが発明されました。そして1824年にドイツのランボーという人によってRC製のボードの特許が取られました。
現代の主要材料である鉄筋コンクリートにしようされる鉄は、1779年にアイアン・ブリッジという人が発見しています。アイアンという名前は発明者の名前を取られていることがわかります。
以上がコンクリートの歴史です。
鉄筋コンクリートについて
ではコンクリートの説明が終わったところで、鉄筋コンクリートについて紹介していきます。
はじめに鉄筋コンクリート(Reinforce Concrete)はどのようにできているかを説明します。
コンクリート + 鉄筋
これです。”鉄筋コンクリート”という名前ですから、これは直感的にわかるかもしれません。圧縮に強く、引っ張りに弱いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋を組み合わせた現代の多くの建物で使用されている構造材です。
コンクリートは引っ張りに弱いのですが、引張強度は圧縮強度の約1/10程度しかありません。建物の構造材にはいろいろな力が働きますが、コンクリートだけでは引張が作用した場合に崩壊しています。そこで、引張に弱いコンクリートの内部に鉄筋を入れることで、圧縮にも引張にも耐性を持つのが鉄筋コンクリートです。鉄筋コンクリートはコンクリートを鉄筋で補強していますので、複合材料と呼ばれます。
鉄筋コンクリートは、現代ではいろいろな建設分野で使用されています。例えば、建築としては事務所や学校、住宅などが挙げられます。土木の分野では、道路や橋梁、トンネルやダムなどのインフラを支えています。さらに鉄筋コンクリートはエネルギー関連の施設でも使用されていて、原子力発電所であったりガスタンク、石油タンクにまでも使用されています。私たちの生活が成り立っているのは、鉄筋コンクリートがあってこそといっても過言ではありません。
まとめ
今回はコンクリートの成分と、鉄筋コンクリートの構成について紹介しました。
コンクリートは、『水 + ポルトランドセメント + 細骨材 + 粗骨材』でできているのでしたね。また、細骨材と粗骨材を分けるのは、骨材の粒の大きさなのでした。コンクリートの成分は建築構造を学んでいくにあたって非常に重要なので、ぜひ覚えておきましょう。
次に鉄筋コンクリートについて紹介しました。鉄筋コンクリートはその名の通り、『コンクリート + 鉄筋』で構成されているのでした。コンクリートは圧縮に強く引張に弱い、鉄筋は引張に強いという2つの性質を組み合わせてできる構造材です。コンクリートと鉄筋の性質も重要なので、理解しておきましょう。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
参考サイト:コトバンク