この記事では静定構造物の安定不安定の判別のしかたや静定不静定とはどんな概念なのかについて紹介します。
この記事の内容はとても基本的なものですが、非常に重要な事柄ばかりです。簡単な内容が多いので、構造物の安定不安定や静定不静定について理解をし、今後の勉強に役立ててください。
それでは早速内容に入っていきます。
構造物の安定・不安定の分類
まずはじめに構造物が安定か不安定かを判別する方法を紹介します。構造物の性質を分類すると、以下のようになります。
安定な構造物とは?
安定な構造物とは、外力が作用しても移動しない・わずかながら変形しても倒れない構造物のことです。安定な構造物の例としては、下のようなものがあります。
不安定な構造物とは?
不安定な構造物とは、外力が加わると動き出してしまう構造物(外的不安定構造物)や、大きな変形を起こして倒れてしまう構造物(内的不安定構造物)のことです。このような不安定構造物は設計してはなりません。
次に安定構造物は静定構造物・不静定構造物に分類することができます。『静定』『不静定』という単語についてここでおさらいします。
静定構造物・不静定構造物とは?
まずはじめに静定構造物について紹介します。静定構造物とは、力の釣り合い条件で反力・応力を求めることができる構造物のことを指します。逆に不静定構造物とは、力の釣り合い条件のみでは反力応力を求めることができない構造物のことです。力の釣り合い条件のみで反力や応力を求めることができるかどうかで、静定構造物か不静定構造物かを判別することができます。
一般に建築物は不静定構造物であることがほとんどです。不静定構造物の反力や応力を求めるためには、力の釣り合い条件と変形に関する条件(変形の適合条件)が必要になります。変形に関する条件を解いていくためには材料力学の知識が必要不可欠になります。
構造物の安定・不安定と静定・不静定の判別
次に構造物の安定・不安定と静定・不静定の判別のしかたについて解説をしていきます。こちらは判別式がありますので、先に判別式を紹介します。
m = n + s + r -2k
(m:不静定次数、n:反力数の総和、s:部材数、r:剛節部材数、k:節点数と支点数の総和)
mの不静定次数が判別式の結果になります。
m < 0:不安定構造物
m = 0:安定で静定構造物
m > 0:安定でm次不静定構造物
また、nの反力数の総和に関しては、
ローラー支点:n = 1
ピン支点:n = 2
固定支点:n = 3
となります。
実際の構造物の安定・不安定と静定・不静定の判別の解き方は例題を紹介していますので、そちらをご覧ください。
まとめ
今回は構造物の安定・不安定と静定・不静定に関してまとめました。
安定・不安定構造物はその名前の通り安定しているか安定していないかなのでした。
安定構造物はさらに分類でき、静定・不静定構造物と分けることができます。静定不静定構造物は力の釣り合い条件のみで反力や応力が求めることができるかどうかで判別することができます。
また、この記事の最後に構造物の安定・不安定、静定・不静定の判別式を紹介しました。実際の判別式の使い方に関しては、例題の記事をご覧ください。
今回の記事は以上になります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。