応力と材料の強度の関係について、この記事では紹介していきましょう。

材料の強度はその性質によって決定される値ですが、外的条件(例えば荷重条件)が変わった場合の材料の強度はどのように変化していくか、頭の中で想像するのはなかなか難しいです。

今回の記事では、外的条件の変化によって変わる応力の変化から、材料の強度の考え方について紹介していきましょう。

 

 

応力と強度の関係は?応力の定義について

まずは応力の定義となる、公式を復習してみましょう。

応力の公式

σ = P / A

(σ:応力[MPa]、P:荷重[N]、A:断面積[mm²])

この公式から、応力σは荷重を断面積で割った値であることがわかります。つまり、同じ荷重の場合は、断面積が大きくなるほど応力は小さくなっていきます

 

さて、応力とはそもそもどのような概念だったのでしょうか。

材料に荷重が働くと、内部には荷重に抵抗するための内力が生まれます。内力は、材料自体が元の形を保とうとするための抵抗力と考えることができます。この内力は、仮想断面(材料を任意の場所で切ったときにできる断面のこと)で均一に分散すると考え、その仮想断面に分散している内力を面積で割ったものを応力と定義しています。応力は荷重に抵抗するための内力とイメージをしておくと覚えやすいでしょう。




 

 

応力と強度の関係について

では、応力からわかる材料の強度について書いていきます。

応力の公式はσ = P / Aでした。ここで下の例を見てみましょう。

荷重P=10[N]がかかってる材料があります。この材料の面積がA1=10[mm²]の場合とA2=20[mm²]のときのそれぞれの応力を求めてみましょう。A1=10[mm²]のときの応力をσ1、A2=20[mm²]のときの応力をσ2として、それぞれの応力を計算します。

σ1 = 10 / 10 = 1[MPa]、σ2 = 10 / 20 = 0.5[MPa]

これより断面積が大きいほど応力が小さくなることがわかりました。

断面積が大きいほど材料は強度が増しますから、逆に考えると、応力が小さい=材料の強度が高いということになります。このことを覚えておくと、いろんな問題で材料の比較をするときにどちらが強度が高いかわかりやすくなります。




 

 

まとめ

今回は応力と材料の強度の関係について考えてきました。

同じ荷重条件・断面であれば、材料が変わっても応力の値は変わりません。しかし断面積が変わると応力の値は異なってきます。この応力の考え方は材料力学の分野おいて非常に重要となりますから、ぜひ覚えておきましょう。

また、基本的に応力が小さいということは荷重が小さいか、材料の断面積が大きい(=強度が高い)ということになります。この考え方も非常に理解を深めますから、覚えて今後の勉強の参考にしてください。

 

今回の記事は以上となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

材料力学
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